Yesの奥に潜む罠


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前回の続きです。

 

コミットメントと一貫性」という社会心理学の法則があります。
これは、人間は一度ある態度をとると、一貫性を保ちたがるというものです。

特に大人は、自分が一度示した態度や発言に対して、その一貫性を保とうとする傾向が強いということなんです。

思考の柔軟性に欠けますねぇ。

 

前回は「NOから入る前にグッと堪えてみる」ことについて記事にしましたが、
今回は反対に「YESから入ること」についても話していきたいと思います。

 


ある日

 

A 「ねー今日ひま?」

 

私 (あー出たよくあるよこの質問、なんなんだよ。先に要件を言っておくれよ。俺がこれから暇かどうかはお前の要件次第なんだよ。そりゃなんの予定もないけどさぁ、それを理由にめんどくさいこと押し付けられるのとかやだもん。んーでも仮に楽しそうな集まりとかだったらもったいないしなぁ...)

 「まぁ暇っちゃ暇だよ」

 

A 「おーまじか助かる!俺急に予定入っちゃったからバイト代わってくれない?」

 

私 (やーらーれーたーーーでもいまさら断るのもなぁ友達関係大事にしていきたいしなぁ暇と言ってしまった手前引き返すことはできないし)

 「おっけーいいよ、今回だけだからな」
 (あーしょうがなくOKしてしまったー何やってんだおれぇぇぇゑ)

 

こんな経験ありませんか?
なんとも見事に相手にコントロールされてしまっていますね。

 

私は無意識のうちにこのテクニックに引っかかり、
また無意識のうちにこのテクニックを利用していたと思います。

 


これには応用テクニックが二つあります。

 

1つ目は
最初に小さな要求をすることで簡単にYesを引き出してから、その後に大きな要求をする
フット・イン・ザ・ドア・テクニック
という手法です。

 

私は3階建ての家に住んでいて、

1階に洗濯機
2階にリビング
3階に自室があり、
そして屋上で洗濯物を干しているのですが

母から「洗濯物さ、洗濯機から出して干しといてくれない?」と言われると、

なんとなく「めんどー」って思ってしまいますが、

最初に
「洗濯物2階まででいいから持ってきてくれない?」と言われたら

「まぁそれぐらいならいいか」
とすぐに承諾してしまいます。

持ってきたところで「ついでに干しといて」と言われると、
「ここまでやったし、別にいっか」とさっきよりもスムーズに承諾へと進んでしまいます。

 

 

2つ目は
悪い条件を隠した上で決心させてから、徐々に悪い条件を開示していく
「ローボール・テクニック」
という手法です。

携帯の本体価格はどこよりも安いですよ!
を売り文句にしているところで買うことを決めたあとに
このサービスには必ずご加入ください、とかが重なって結局ほかの価格より高くなってんじゃん!
となってしまうような状況のことです。
違う!と思ったとしてもなかなか引き返せないのが人間の心理なんですよね。

 


といっても、じゃあ具体的に何をすればいいの?
それは
こんなことがあるんだ、とぼんやり知っておいてもらえればいいと思います。

 

 

まとめ

人間は一度ある態度をとると、一貫性を保ちたがる。
その結果、過去の自分の言葉や行動に
自分の行動がコントロールされてしまうことがある。


その例として

最初に小さな要求をすることで簡単にYesを引き出してから、その後に大きな要求をするという手法

悪い条件を隠した上で決心させてから、徐々に悪い条件を開示していくという手法
などがある。


今回は
ロバート・B・チャルディーニさんの
「影響力の武器」という本を
読んだ方の話をもとに、私なりに記事にさせて頂きました。
ぜひ帰ったら読んでみたいと思います。

 

 

 

18/5/2020(20)